大判例

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東京高等裁判所 昭和46年(う)3622号 判決

被告人 南芳徳

〔抄 録〕

被告人は、(1)昭和四四年八月二三日ころ(2)同月二九日ころおよび(3)同年九月一二日ころの三回、その都度原判示共犯者らと輸入手続未了のカナダ産脱脂粉乳を窃取することを共謀し、被告人が保税上屋である原判示倉庫へ貨物自動車を運転して行き、同所で、或いは原判示共犯者末永勇が滑り台を利用し、或いは原判示共犯者佐藤喜代男がクレーンなどを利用して、同倉庫から原判示脱脂粉乳を右貨物自動車に積込み、その後被告人が同脱脂粉乳を処分するため右自動車を運転して同所から出発離脱したのである。

(ロ) また、被告人は、同年一〇月二〇日ころ、右末永が原判示共犯者飯野重夫と共謀して前記のような方法で原判示場所で前記脱脂粉乳を自動車に積み込み、これを搬出した際、その情を知りながら、右搬出のため貨物自動車を同人らに貸与したのである。

右認定の事実関係によれば、本件脱脂粉乳を積込んだ右貨物自動車が本件保税上屋である倉庫から出発離脱したことにより、そのとき本件脱脂粉乳は、被告人らの占有に移ったものと認められ、本件脱脂粉乳についての窃盗罪は既遂となると共に、本件脱脂粉乳は、被告人らによって保税地域から引取られたものと認められ、本件脱脂粉乳についての関税逋脱罪は、既遂になったと解すべきである。したがって、所論窃盗および同幇助の罪と関税逋脱および同幇助の罪とはそれぞれ観念競合に当ることは明白であるから、両者が併合罪の関係にあるとした原判決には法令の適用の誤りがあり、その誤りは判決に影響をおよぼすことが明らかである。

(三井 石崎 四ツ谷)

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